熱が高いと脳がやられる、なんてことをいいますが、迷信です。40℃くらいの熱があったって脳はやられませんから安心してください。こどもはよく熱をだします。また、それが夜であったり休日だったりして、お母さんは不安になってしまいますね。でも、こどもは、ただでさえ体調が悪くて不安がっています。そんなときにお母さんが心配な顔をしていると余計に心配してしまいます。どっしりとかまえて、「大丈夫、お母さんにまかせなさい」という顔をしていてあげてくださいね。
◆熱さましは一時しのぎだけど・・
熱さましは、熱によるつらさを軽くするためのくすりで、病気を治すくすりではありません。熱を下げることばかりに気をとられないようにしましょう。
しかし、一時しのぎだから、使うのが悪いというのではありません。あまりにしんどくて、水分も取れないときがあります。これはからだにとってよくありませんので、一時的に熱をさげてあげて、ちょっと、気分がましになったところで水分を補給してあげましょう。また、高熱が続くと、それだけで体力を消耗していきます。1日のうちで、何時間かは、楽な時間帯をつくってあげるのも悪くはないでしょう。
逆に、高熱であっても、比較的ピンピンしていて水分もよくとれているときや、すやすやと眠っていくときには、熱さましは不要でしょう。
「何度以上になったら使えばいいですか」と、よくたずねられます。そんなとき、「熱がつらそうなら使う、高熱でも元気そうにみえるなら使わなくてもいい。体温計の数字にこだわってはいけません」と私は答えています。
◆副作用のない熱さまし
冷えたタオルで頭を冷やす。そんな母の姿が子供の心をなごませます。頭だけでなく、両わきや股のつけねを冷やすのも効果的です。でも子供が嫌がるときは無理に冷やさなくてもいいんです。「楽にさせてあげるための処置」で大泣きさせたのでは何にもなりません。
◆坐薬かのみぐすりか
効き目は同じです。強いてちがいをいえば、坐薬の方が効果の現れるのが少し(10〜20分)早いです。吐き気のあるときには坐薬を、下痢のときや坐薬がきらいな子には飲み薬を。坐薬と飲みぐすりを同時につかってはいけません。坐薬は、体の大きさに応じて、何種類もあり、見かけは似ていますので、間違えないでくださいね。粉くすりや水薬は、微妙なさじかげんができるところが、坐薬と比べたメリットの一つです。薬の効き具合は個人によって違いますので、ひとりひとりにあわせることができます。当院では水薬、粉薬、顆粒、錠剤、カプセルと、一通りそろえています。一番飲みやすい形をおっしゃってくださいね。
◆何時間毎に?
熱さましといっても、熱が消えてなくなるわけではありません。だいたい、熱が1℃下がればよしとしましょう。病気の勢いや、個人差によって、あまり下がらなかったり、またすぐにあがってきたりすることがあります。
基本的に、熱さましは6時間くらいあければまた使ってかまいません。それでも1日3回くらいまでにしておきましょう。
「6時間経たないうちにまた上がってきた」という相談もよくあります。そんなときは、「今は熱を封じ込めるのはあきらめましょう」とあっさり答えます。最初に書いた、熱さましを使う目的を思い出してください。心配のあまり、いつのまにか、「熱をさげること」が目的にすりかわっていませんか?
◆坐薬の入れ方のコツ
はいり始めたら、奥の方まで(自分の指先がはいってしまいそうなくらい)いれるのがコツです。途中で止まっていると、また押し出されてきます。
入りにくい時は、先端を指でしばらく握っていると、トロっとしてきます。そうするとすべりやすくなり、いれやすいです。